「同行二人」(どうぎょう・ににん)
公開日:2020年07月05日
「そがん事するとバチかぶるとよ!!」と
(長崎弁訳 笑=そんなことすると罰が当たるよ!!)
幼い頃よく親に叱られたものです。
~天網恢々疎にして漏らさず~
「世の中全員の悪事を見逃さず、罰を下す仏様はどんだけ恐い人なんだろう」
とすくみ、色々なこと何度踏みとどまったことでしょう(笑。。
これすなわち「智恵」であり、親の躾(しつけ)です。
でも大きくなるに連れ、仏様は恐いだけではないのだということが
だんだんと分かってきました。
「ひとは決してひとりではないのだよ」という安心感と
「だからこそ人の道を外してはいけないんだよ」
という教えであったのだなということも。
似たような意味の言葉で、古くから「同行二人」(どうぎょう・ににん)
という言葉があります。
四国八十八カ所巡りの際、お遍路さんは、この「同行二人」を携え、
弘法大師と寝食を共にする思いで各地を巡礼します。
しかし「同行」するもう一人というのは、仏様のことばかりを
指すのではなく、自分の大切なまわりの人々のことをも
指しているのだとも云われます。
遍路の旅を人生に置き換え、
決して一人で生きているのではなく、皆に生かされているのだ、
すなわち「ひとが生きることは日々感謝なのだ」という、
日本伝統の、素晴らしい仏教の教えです。
翻って親の一人として、未来の日本人である子ども達にも
しっかりと躾(しつけ)て、託していきたいものですね。
店主拝